スポンサーサイト
- --/--/--(--) -
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
この記事のURL | スポンサー広告 | ▲ top
威厳と優しさに守られて
- 2011/07/22(Fri) -
DSC03610.jpg
2011.6.23 NEX-5

タイ東北部イサーン地方のダーンサイの町でホテルを見つけチェックイン後、ふらふら空荷の自転車で散歩していた時に見つけた寺院。思えばここが一番ピカピカの仏像が祀られ、本堂の壁画といい、その空間といい印象に一番残っている寺院だった気がする。
そうした見た目の印象以上に、ここでの出来事もまた強烈だった。

広い本堂に入ると、奥の方で仏像に向かってお坊さんがポツリと一心に念仏を唱えている姿があった。仏像かと見間違えるほど、その坊さんは身動き一つせず、その後ろ姿は光り輝く仏像に負けず劣らず美しいものがあった。
そっとだるまさんが転んだのような気分で気づかれないように近づきカメラを構える。
あまりにも静かだったために、シャッターを切ると「ガシャ」という電子音が鳴り響いてしまった。
やべ、隠し撮りばれたか?と思う間もなく、動かずにいた坊さんがぎょろっとこちらを振り返った。
「何してんだ?」(と言われたように思う。)
たじろぎながら、「自転車で旅していて、町の寺院を見つけてはお参りしているんです」と答えた。
観光客に振りまく笑顔など持ち合わせていないようで、怖い顔をしてこちらを検分するような眼差し。
見つめられてというか睨まれ続けて僕は、「ご存知のように僕の国では地震と津波で多くの人がなくなって、こうして寺院で仏像に出会うたびに、亡くなった人のご冥福をお祈りしていまして、、」となんとか身振り手振りで伝えるしかなかった。
すると何も言わずにまた仏像に向かい、ぶつぶつと何やら唱え始めた。立ち去っていいのかどうなのか分からないまま、一緒に彼の動作の通りに片目で様子を窺いながら居座ることにした。
5分経過。
まだ坊さんは祈り続けている。何度も手を合わせては頭を下げ、一歩二歩遅れて僕も頭を下げる。煩悩を捨てるどころか、僕の全神経はすべて坊さんの一挙手一投足に注がれていた。
10分経過。さすがに立ち去ろうと思ったが、声をかけられる雰囲気にない。
15分経過。終盤にさしかかったのかこれまでとは動きが変わってきた。

仏像へ唱える言葉が止んだあと、始めて彼は僕に笑みを見せてくれた。
おそらく「代わりに私が念仏を唱えておいたから」(と言ったように思えた。)
彼はそう僕に告げたあと、ふと立ちあがり、颯爽と本堂を歩いて出て行ってしまったのだった。

ここでの威厳と優しさに満ちた、不思議な空間での出来事が今でも心に焼き付いている。
関連記事
スポンサーサイト
この記事のURL | サイクリング タイ① | CM(0) | TB(0) | ▲ top
<<マイペンラーイ | メイン | 偉大なドラえもん>>
コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する


▲ top
トラックバック
トラックバックURL
→http://yasufreeman.blog53.fc2.com/tb.php/151-6a687842
| メイン |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。