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マイペンラーイ
- 2011/07/23(Sat) -
P6230332.jpg
2011.6.23 μ1030

長かった峠を一日かけて登り、翌日待望の下りが待っていた。直線的だった登りとは打って変わって、下り道は日本の峠道のように何度もカーブしていた。
素早く駆け下りてしまうのが惜しくて、気持ちよく風を受けながら飛ばしすぎずゆっくり味わいながら進んでいく。その気持ちよさに酔いしれていると、前方に自転車が見えた。
この先20kmは下り道が約束されているこの坂道で、同じ方向を向いているのに自転車を押していた。

何かトラブルでもあるのかと思い、慌ててブレーキを握り自転車を横付けした。
話を聞いてみる。
「どこか故障でも?」
「マイペンラーイ」(大丈夫という意味)
「工具ならあるけど」
「マイペンラーイ」
これまで散々タイ人には親切を被っている。僕が何かできて、気持ちを返せるのはこのタイミングしかない、と思い工具を見せる。よく見るとブレーキパットがひん曲がり、タイヤの回転を邪魔していた。
試しにレンチでパッドを動かしてみる。
慌てた様子もなく「マイペンラーイ」
ここまでその彼はこの言葉しか発していない。

次の街までまだ30kmは残している。そこまえ歩き通すとでもいうのか。
せっかく登ってきた道を、スピードに乗って下らずして峠を越えるなど僕にはできない。下りがあるからきつい坂も登ることができる。その快感は峠を越えてきた人にしか分からない。

自転車はただの移動手段?
そういえば荷物もただならぬ量で、すべての家財道具をむりくり自転車にくくりつけているようなスタイルだった。
どこへ向かうのか、何のためか結局タイ語で聞けずじまい。
修理もあまり手を出せずに分かれてしまった。

僕はこの後後ろ髪引かれる思いながら一気に20km、坂道をほとんど漕がずに下った。
一日も終わりかけた頃、彼はどこまで歩いて進めたのだろうかと気になった。
きっとあの後も、たくさん援助に「マイペンラーイ」といって遮り、自力で町まで下りていったのだろう。

こうしてこの旅中最初で最後、タイ人の自転車乗りに出会ったのだった。
タイ人の口癖とも言える、マイペンラーイを聞くたびに僕は彼のことを思い出してしまう。

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