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Suddenly I See
- 2012/08/13(Mon) -
P8110014-001.jpg
2012.8.11 μ1030

ゴロピカズドーン!!と早朝、雨を伴う雷が辺り一帯に鳴り響いていた。
ようやくここまでこぎつけ、ここまで準備して、ここまで気持ち乗っているのに、運にはここでも見放されてるのかと嘆く。海上で雷に遭遇することだけは避けたかった。
朝4時にはスタートしよう、と前日話していたのだけど、この雨と雷では出艇できないのは明らかで、6時過ぎになってようやく僕はテントから這い出て、仲間と顔を合わせた。
「どうする?」と同行者の兄さんに聞かれた。
ぱっと目の前の海を見渡すと、それほど荒れているようにも見えない。雷注意報は依然として出ているようだが、雲行きはそれほど怪しくはない。
「行きましょう!」と僕は強く返事をして、決行がきまった。

今回は全員ファルトカヤックでの出撃で、しかも僕は借り物。
やや高い波を切り抜け出航してすぐ、ファルトカヤックに浮力と骨組みにテンションを加える空気がすべて抜けているのが分かった。
「くそっ」気持ちが萎えそうになる。カヤック組立て時に3度も失敗して面倒にも組み直しをし、これは行くなという神のお告げかと思うほど、スタートまでに次から次へと問題がふりかかってくる。
一度岸へと戻り、空気を入れ直し、再び海上に出てるもまた空気は抜けてしまった。足元を覗くとスポンソンという空気注入口のバルブそのものが取れていた。
何時でもすぐ取れてもおかしくないそのバルブに願懸けし最後まで取れ落ちないよう頼み、ようやく大島に向かって出発した。
直線距離は28km。出発地は片瀬白田港。若潮で上げ潮の時間帯、よって見えない潮流は西南西へと流れているはず。風は南西から。おそらく北へと流されていくのだろう。大島をかすめて通り越すと房総半島へ流されるという惨事になる。
漕ぎだしは離岸流なのか、時速7~8KMぐらいのスピードが出ていた。当然ながら漕げば漕ぐほど陸地からは         離れていく。後ろ髪は引かれない、ただ前に進むのみだ。
1時間おきに5分の休憩、これを繰り返す。2時間経過したころからスピードが落ちた。にわかに進行方向とは逆の流れにのる。これは予想通りの上げ潮流だった。
やがて雨。視界は悪くなり、前方後方左右とも人工物は何も見えなくなった。
コンパス、地球の磁力のみが便りとなる。所詮GPSは電化製品で、いつ壊れるともわからない。となると、半永久的に使えるコンパスのみが頼りになる。
これまで海岸線でしかカヤックをしていない僕は、この期に及んでようやくコンパスの必要性を痛感したのだった。カヤックに取り付けるデッキコンパスというものを、僕は海岸線だけこれまで漕いでいたのに、使っていた自分が無性に恥ずかしく思えた。
雨は何度か降っては止みを繰り返していたため、熱中症のリスクは低かった。適度に雨を降らせている雲は、夕立や雷を伴う雲に変貌することもないだろう。予報だけみれば天候面でとても海に出るのがいいとも言えない日ではあったけど、プラス要因の方が多かった。

雨は止み、海しか見えない中での静寂。砂漠でテントを張ったときのようだ。海にもこんな空間が広がっていたのだ。まぎれもなくこれは横断思考のカヤックカーを虜にする一因のような気がする。景色は変わらないし、海・海・海しかない。考えることばかりが続き、意識は内へ内へと向かっていく。恐れ、弱さ、後悔、邪念。自分の見たくない伏せている意識の内へとどんどん思考は吸い寄せられていく。
やっぱり修行だな。
サイクリングも修行の要素が強いといえど、意識の奥へと集中するには、目移りさせられる景色の変化が多かった。海は外向きの力が働く、などというけど僕には内への力しかここでは働かない。
漕ぐことに集中すればするほどそれは強まる傾向にあった。

それが途切れたのは、雨が上がって突然島影が見えたときだった。
あまりに重苦しい気分になり、目に見える変化が訪れた機会に調子を整えたかった。
突然島が見えてきたこともあって、歌詞の意味は状況にまるで当てはまらないのだけど、大好きなモチベーションソング Suddenly I seeという曲を頭に思い浮かべる。タイトル通りのサビのところだけしか歌えないから、「Suddenly I Sea、フフフフンフーン」と口ずさむかあとは口笛。

島影が強く見えてからが長かった。風も強くなりつつある。そして先を急ぐ気持ちが働くと余計に距離を感じる。
予定よりやや北へと流されていたため、南へと舳先を向ける。最後のひと踏ん張りだ。
出発から6時間後、距離は約33km。自力で大島に渡り切れたのだった。
ここ4年間で4度目の大島来島。いろんな思い出があるけれど、また一つ心深く記憶に残る経験となったことは間違いない。
ただここでは終われないのだった。まだ次の課題を僕たちは残していた。
google 大島横断
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